SDGsへの取り組み

鹿や猪、熊などの野生の動物の皮をレザーとして活用しているもののことをいいます。
革製品として使うための狩猟によるものではなく、害獣として駆除されるものや、害獣対策で食肉用として利用される野生動物の皮が活用されていることが特徴です。

人間の生活や環境を守るという観点から、人に危害を加える・農作物を荒らすという理由で害獣と位置づけられて駆除された動物を、ただ廃棄処分するのではなく、『頂いた命を最後まで使い切る』という点に置いて、消費者のエシカルな行動に繋げていけるようジビエレザーの製造及び普及につとめています。

2014年頃、北海道でエゾ鹿による農業被害が深刻化しニュースで目にする機会が増えていました。

一次産業が大きな割合を占める北海道では当時、エゾ鹿による農業被害対策の為、年間10万頭以上のエゾ鹿を害獣として捕獲しそのまま山などに廃棄していました。この現状に、公的機関はじめ様々な団体・個人などが問題提起し、食肉利用などによる循環サイクルの確立を目指した動きを始めていました。

そこで当社はエゾ鹿のレザーとしての再利用の可能性を測るため、北海道に仕入れ先を探し、知り合うことができました。

当時レザー業界において鹿革といえば中国・ニュージーランドなどの輸入革が中心でしたが、国内に生息する野生のエゾ鹿で循環可能(サスティナブル)なビジネスの流れを確立する為、野生由来の傷・個体差・安定供給の困難さなどの不利な条件をプラスに変える方法を模索し始めました。

鹿革はしなやかな肌触りが特徴で薄くて軽いが耐久性があるのが特徴です。

ソフトタッチのスムースやヌバックは高級感ある製品に、ヴィンテージテイストのハードな仕上げのレザーはワイルドな製品に適しています。

日本最強の生物であるヒグマのレザーは、野生の荒々しさがあり細かく盛り上がったシボが強烈な存在感を放ちます。

希少性が高く中々手に入らない為、唯一無二な製品に仕上がります。

ジビエレザーができるその過程には、「大切な命を使い切る」という想いが込められています。
農作物を荒らす厄介な存在として駆除した野生動物の皮も、レザーとして価値を持たせることで社会に循環させることができます。また、それぞれが持つレザー特徴を活かした製品開発や、地域資源として活用することで地方活性化への取り組みにも貢献することができています。

このような背景を知っていただくことは、素材や製品を選ぶ際の新たな選択肢になります。
命に常に感謝する気持ちをもつことで愛着が湧き、長く大切に使おうという意識改革にもつながると考えています。
これからもジビエレザーの持つサステナブルな可能性を引き出してまいります。